医者と話そう! 〜心臓と健康について〜

重い心臓病と毎日格闘している外科医が、皆様の疑問や悩みにお答えします。

2016年11月

では、心臓病を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
これは現在政府が力をいれている予防医学でも核心の問題です。
メタボリック症候群は心臓病のリスクであり、まずその予防は大事なポイントです。
そのためには減量、適度な運動、減塩、糖質/脂質制限などが必要です。ただし、減量については体質すなわち遺伝的に「太りやすい」方がいらっしゃいますので、努力がなかなか実を結ばない事もあります。
自分の努力で何とか出来る事を考え行動することが大事ですね。

話を戻すとメタボローム症候群の診断基準は
腹囲 男性85cm、女性90cm以上
空腹時血糖 110mg/dL以上
血圧 収縮期130mmHg以上または拡張期85mmHg以上
HDL(善玉)コレステロール 40mg/dL以下
中性脂肪 150mg/dL以上
これらのうち2つ以上合併すると、メタボリック症候群に当てはまります。
数字だけをみると、結構厳しいなという印象で、額面通りだと数千万人の方が当てはまると言われています。
ただし学会により多少の相違があり、また診断基準自体もあいまいであり不完全であることから、頻繁に改められています。
リスクは単純ではなく非常に複雑であるので、一つ一つの数字にとらわれすぎるのも良くありませんね。

心筋梗塞のリスクで以前で知られているのは糖尿病、高血圧、高コレステロール血症を引き起こすメタボリックシンドローム、いわゆるメタボの状態です。皆さんはメタボのイメージとして、「太った中年男性」と思っていませんか?実は若い、やせた女性でも内臓脂肪の増加、血糖値の異常やコレステロール高値が問題となっているのです。

急に心臓が停止するいわゆる心臓突然死は正確には「心室細動(しんしつさいどう)」という不整脈です。以前は心臓麻痺と呼ばれていた事もあります。心臓が痙攣(けいれん)してしまい血液を送り出せない状態です。なぜ痙攣してしまうかというと、先天的な異常が原因の事もありますが多くの場合は前述の心筋梗塞で細胞が酸欠になって起こります。血管がつまって早ければ数分で死に直面する状態となります。この疾患は1970年代くらいまでは欧米人に多く、日本人には少ないと言われてきましたが、最近の日本人の生活習慣は大きく変化し、欧米人に迫る頻度となっています。

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