医者と話そう! 〜心臓と健康について〜

重い心臓病と毎日格闘している外科医が、皆様の疑問や悩みにお答えします。

カテゴリ: 心臓病について

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「胸が痛くなったら一体どうしたらいいの?」

このような疑問をお持ちではありませんか?

まず大事なことは、胸痛の特徴をよく確認することです。
これは医師に、あなたの胸痛を伝える際にとても大切で、病気との関連性があるかどうかの判断において非常に重要なのです。

実は、これにはいくつかのポイントがあります。それについてご紹介します。
1. 胸痛の部位
2. 胸痛の強さ
3. 胸痛の感じ方
4. 胸痛がおこりやすい時間帯など
5. 胸痛の持続時間
6. 胸痛が強くなることはあるか、または改善することがあるか
7. 胸痛以外の症状はあるか
 

胸痛の部位
もっとも重要なポイントは痛みの部位です。
これは心臓病とそれ以外の疾患を区別するのにもっとも重要です。

心臓病、特に狭心症と関連した痛みは、「胸の真ん中あたりを手のひらで押さえる、あるいは円を描く」に表現されることが多いです。
逆に、指先でピンポイントにここ、というような狭い部位の痛みは心臓と関係ない場合が多いです。
また大動脈解離などでは、胸や背中からおこり、下までおりてくる激しい痛みが特徴的です。
また、胸に近い左肩、あご、みぞおち、背中にも同様の痛みが起こる場合があり、これを「放散痛」といい、狭心症の痛みと関連する場合があります。
 

胸痛の強さ
胸痛の強さは10段階でどの程度でしょうか?
「今までに経験したことのないような痛み」(10段階の9または10)の場合、大動脈解離や急性心筋梗塞など、急性疾患の可能性が高く、直ちに救急車を呼ぶべきです。

10段階の6〜8でもかなりの強い痛みに入るので直ちに受診したほうがいいでしょう。

問題は痛みが10段階の5以下、中程度より軽い場合です。
こちらは判断に迷うところなので、以下の他のポイントも参考に受診をすすめます。
 

胸痛の感じ方(「性状」とも言います)
医師からは「どんな痛みですか?」とかならず聞かれます。痛みの感じ方について、正しく表現できるようにしましょう。
心臓に関連した胸痛の場合、鈍痛や、不快感など「表現しにくい痛み」に感じることが多いようです。
一方で、鋭い痛み「ズキズキ」と表現される場合は他の原因によるものが多いでしょう。
胸痛のおこりやすい時間帯
いわゆる労作性狭心症という、動脈硬化が原因の場合、時間帯はあまり関係ありません。
ただし、狭心症の一部である冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症の場合は、夜間から朝方に多いといわれています。
 

胸痛の持続時間
心臓に関連した場合、持続時間はさまざまといえます。
例えば、不整脈による場合、数秒以内と非常に短い場合があります。
狭心症の場合は数分程度〜長くても15分以内に軽快する場合が多いです。
心筋梗塞などの場合は30分以上続く場合があります。
 

胸痛が強くなることはあるか、また改善することはあるか?
狭心症などの場合、階段の登りや早歩きなどで息切れとともに起こり、少し休むと改善するのが特徴的です。
逆に、かなりの負荷をかけても症状が出ない場合は、心疾患でない可能性があります(例外あり)。
また動かしたりひねったりした際に痛みが強くなる場合も、心疾患でない可能性が高いです。
ストレスで胸痛を感じる場合もありますが、一概に心臓とは言えないようです。
 

胸痛以外の症状は?
心疾患の場合は、どうき、息切れ、たちくらみなども感じることがあります。また吐き気、冷や汗、顔色不良などが伴っている場合は要注意です。

 

いかがでしたか?
胸痛を感じた場合は受診を勧めますが、あらかじめこのようなポイントを押さえておきましょう。

「胸が痛い」というと、まず真っ先に「心臓かな」と思うでしょうか?
ある研究で、実は胸痛の原因として最も多いのは筋肉痛や神経痛(36%)ついで消化器系疾患(19%)の順で、狭心症など心疾患によるものは約10-15%程度だったとの事です。確かに日常診療で我々循環器専門医が見ても明らかな心疾患による胸痛というのは少ないものです。だからこそ見落としがとても怖いと言えます。
例えば狭心症の患者様はしばしば初診で、心電図などのデータは陰性の事も多く、ビンゴかどうかの鑑別には症状や病歴による「印象」が重要です。狭心症を多く見てきた専門医はこの嗅覚がとても優れています。

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「狭心症」はどんな病気かご存知ですか?
心臓の表面を走っている「冠状動脈」の血流が悪くなり、心臓の細胞の酸素が足りなくなり痛みを感じる病気です。
血流が悪くなる原因は、冠状動脈の動脈硬化による狭窄(きょうさく)です。 
中高年に多い病気ですが、稀に30代の若い方にも発症します。

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