医者と話そう! 〜心臓と健康について〜

重い心臓病と毎日格闘している外科医が、皆様の疑問や悩みにお答えします。

カテゴリ: 心臓病について

自分でできる、心臓病の予防とは?

そう、「運動」です!
運動といっても大仰に構える必要はないんです。
ただ歩くだけ、でも非常に効果大なんです。

アメリカ心臓病学会によると、米国での研究では、散歩とジョギングは同程度に血圧、コレステロールや血糖値を下げる効果があることが証明されています。
すなわち、散歩をするだけで心臓病のリスクを減らせるということですね。 

では、心臓病を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
これは現在政府が力をいれている予防医学でも核心の問題です。
メタボリック症候群は心臓病のリスクであり、まずその予防は大事なポイントです。
そのためには減量、適度な運動、減塩、糖質/脂質制限などが必要です。ただし、減量については体質すなわち遺伝的に「太りやすい」方がいらっしゃいますので、努力がなかなか実を結ばない事もあります。
自分の努力で何とか出来る事を考え行動することが大事ですね。

話を戻すとメタボローム症候群の診断基準は
腹囲 男性85cm、女性90cm以上
空腹時血糖 110mg/dL以上
血圧 収縮期130mmHg以上または拡張期85mmHg以上
HDL(善玉)コレステロール 40mg/dL以下
中性脂肪 150mg/dL以上
これらのうち2つ以上合併すると、メタボリック症候群に当てはまります。
数字だけをみると、結構厳しいなという印象で、額面通りだと数千万人の方が当てはまると言われています。
ただし学会により多少の相違があり、また診断基準自体もあいまいであり不完全であることから、頻繁に改められています。
リスクは単純ではなく非常に複雑であるので、一つ一つの数字にとらわれすぎるのも良くありませんね。

心筋梗塞のリスクで以前で知られているのは糖尿病、高血圧、高コレステロール血症を引き起こすメタボリックシンドローム、いわゆるメタボの状態です。皆さんはメタボのイメージとして、「太った中年男性」と思っていませんか?実は若い、やせた女性でも内臓脂肪の増加、血糖値の異常やコレステロール高値が問題となっているのです。

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